S男*鈍感女
「嘘じゃないよね?」


「顔も合わせないし、話さないって。」


「・・・。」


「本当なら、寮だって変わってもいいぐらいだもんね。」



「・・・・。」


「約束だから。そういうことだから、またね。」

”またね”?また会うの?あたしたち。


会わなきゃいけないの?


会いたくないよ。


別れるって言ってるのに。


それだけじゃだめ?



キィーバタン


勢いよくドアが閉まった。


茜ちゃんがいなくなってからも、あたしは立ち尽くした。


涙も流さずに。


ただ無表情で。


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