honey blood
あたしから行きたい場所なんか言えるわけないので、金田さんの案に便乗して紫に提案。



「映画なんて何年ぶりか…」

「映画館なら涼しいし、行く?」

「行ってみっか」



こうしてあたしと紫の初デートは映画を見にいくことになった。



久しぶりに気合いが入る服は恥ずかしさの塊で。



外出時は和服から洋服に変わる紫にもドッキュンしちゃうし。



「準備出来たよ」

「外行く前に少し飲ませろ」

「なんで!?」

「夏はタダでさえ体力消耗すんだよ」

「や、優しくお願いします…」

「ん…」



ググッと入ってくる紫の牙の感覚はいつまでも慣れない。



血を吸われてる感じはやっと最近わかった。



今までは痛いだけでいっぱいいっぱいだったけど、血が抜き取られてる感覚がわかる。



「もう…いい?」

「ん~…、ごちそうさん。生理前か?」

「わ、わかるの?」

「なんとなく」

「繊細さに欠けてるよあんた。女のコに対して普通言わないから!!」



恥ずかしいなバカ…。



< 101 / 506 >

この作品をシェア

pagetop