honey blood
紫が首に巻いてるストールを引っ張って絞め殺そうとしたのに…。



気づけば紫はあたしの後ろにいて。



「残念。ほら、行くぞ」



いつも紫の方が一枚も二枚も上手…。



あたしもヴァンパイアだったら負けないのに!!



また手を握られて暑い外に出た。



カップルっぽい…。



紫の低い体温のおかげで汗はかかなそう…。



ってかこの沈黙が耐えられない…。



「む、紫はデートとかしたことある!?」

「まともなデートなんかしたことねぇな。むしろデートってなんだ?」

「なんだろね」

「ふたりででかけりゃデートか?」



まぁそんなもんなんだろうな。



手も繋いじゃってるし。



紫が離してくれないんだけどね。



映画館があるショッピングモールについて、時間を確認した。



上映まで1時間もある…。



「上映までいろんなもの見たい」

「めんどくせぇな…」



時間潰しじゃん。



それくらいつき合えよ。



それとも別行動?



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