honey blood

しばらくして始まった映画は、面白くて夢中になった。



アクションは激しいし、主演俳優さんカッコイイし。



食い入るようにスクリーンを見てた時、トンッと当たる紫の頭…。



こんな面白い映画で寝てるよ!!



信じらんない…。



肩に寄りかかる紫からは規則正しい寝息が聞こえて来て、ちょっとムカついたので小さなポップコーンを開いてる口に突っ込んだ。



「オイ…」

「アタシナニモシテナイヨ」

「片言じゃねぇか。気持ちよく寝てたのに…。いたずらっ子にはお仕置きだな？」



は!?



あっ…。



ロングランだし、みんな見ちゃったみたいで映画館内に人はまばら。



中央の真ん中に座ってるけど、隣とかはいなくて。



だけど後ろにはチラホラ人がいるんです。



なのに…こんな場所でキスなんて…。



「クククッ…、今日は唇キャラメル味…」



な、舐めたし!!



マジで…あり得ない!!



スーッと親指で唇をなぞられ、背中がゾクゾク。



その後、殴ろうとした体が動かなくなったのはコイツが力を使ったんだ…。