honey blood
抱きついたまま俺を見上げ、ニコッと笑った。



「なおさら帰らないもん」



そう言って玄関の方に走って行った。



家に入れたら終わりだ…。



「蜜っ!!出てきて俺から離れんな!!」

「なんなのぉ!?暗いし怖いし頭打ったしぃ~…」



さっきの音は蜜が頭を打った音だったのか…。



とにかくアイツが来る前に…。



「説明してよね!!」

「それどころじゃねぇんだよ!!布団入れ」

「は!?」

「お前はイヤかもしんねぇけど少し我慢しとけよ」

「ちょっ…待って…」



布団に引きずり込んだ蜜の浴衣をガバッと開いた。



下着が見えるギリギリのライン。



蜜は急なことにポカンと口を開けて瞬きをしてる。



「いい子だ。そのままそうしとけ。ついでに寝たふりかましとけ」

「む、紫っ…」

「静かにっ!!」



蜜が横になる布団のそばに寄り、襖を向いて座った。



スパーンと開いた襖は、壊れそうな勢いで。



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