honey blood
明らかに怒り浸透の志乃は殺気を放ってる。



「人間…」

「事の終わった後の余韻を邪魔するのは野暮ってもんじゃねぇのか?」

「紫様の…彼女…」

「そ。悪いがコイツに手ぇ出したらお前の家族ごと消してやるよ」

「その前に志乃がその女を消すっ!!」



無駄に力が強い純血ヴァンパイアの志乃。



だけどなぁ、俺はお前なんかより倍以上強いから。



「紫っ…様…?」

「手は出させねぇよ。このまま砂になりてぇか?それとも半分生かしといてやってもいい」



歯は時として牙になり、爪は時として刃物に変わる。



戦闘態勢に入れば、瞳の色も勝手に紅くなる。



志乃の首に突きつけた爪はスレスレで止まっていて。



ガタガタと震え始めた志乃を少し可哀想に思った。



だけどこのガキはこれくらいしなきゃわからないだろうから。



「さて、どうする?」

「ごめんっ…なさい…」



泣き出した志乃がウザかったけど、ここは母さんに任せておくとするか。



< 115 / 506 >

この作品をシェア

pagetop