honey blood
強制的に母さんの元へ連れて行った。



シクシク泣いてる志乃を見て、双子達はササッと姿を消した。



双子は志乃が嫌いだから。



「紫に泣かされた?」

「違うっ…でも志乃、紫様のこと、本当に好きなのにぃ…」

「おいで、志乃ちゃん。お姉さんが恋なんて幻想だってお話してあげるから」



恋がステキとか言ってたババァはどこに行ったよ…。



だけど志乃のことは母さんに任せるのがいちばんいい。



志乃の背中をさする母さんは、もう片方の手で追い出すように部屋から出ていけと合図した。



じゃあ任せるわ…。



『ごめん』と口パクで言った俺に対し、母さんは『マジで』と返した…。



そのまま部屋に戻ると、さっき乱した浴衣をキッチリ着直した蜜が布団の上に座っていて。



「紫のこと好きな子…?」

「プチストーカー的な?」

「そっか…そっか…。あたしはこういう時なんて言えばいい?」

「いつもの蜜で」

「じゃあ…どんだけ酷い振り方してんだよ。お前はホント、女心わかってねぇな」



俺に文句かよ…。



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