honey blood
知らなかった…。



あたしって紫のこと、よく知らないのかもしれない…。



「おぅ、起きたかバカ」

「あんたアイスばっかり食ってたらマジで糖尿になるよ」

「人間と一緒にすんな。ヴァンパイアはそう簡単に病気なんかにゃならん」



布団の横に座った紫は、買ってきたアイスをそばに置いた。



ってか血…飲んでないけど平気なのかな…。



昨日も少しだけでやめたよね?



「紫、お前の番だ」

「大丈夫かよソレ…」

「副作用はある程度抑えたはずだ」



紫が出した腕に先生が注射をした。



痛いのか、顔を歪める紫は副作用に耐えられるんだろうか…。



「ん~…ものすっげぇいてぇ…。あぁぁぁ…オイ、めっちゃムラムラする…」

「そっちか!!」

「でも…我慢できる程度。前よりマシ」

「そうか、じゃあ俺は林の点滴が終わるまで出てくるからな」



あたしのために副作用覚悟で薬使ったの?



なんかそういうのって卑怯だよね…。



キュンとしちゃう…。



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