honey blood
【紫】



今宵の空気はなにか起こりそうな匂いがする。



それはすぐそばまで来ているような…。



「む~ら~さ~き~!!」

「いってぇな!!なにすんだよ!!」

「お前あたしのヨーグルト食っただろ!!」

「食った覚えなんてねぇな」

「父上が見たって言ってた!!買ってこい、今すぐ買ってこいよ」

「ヨーグルトぐれぇでギャーギャーわめいてんじゃねぇよ。テメェはガキか?あぁ?」



昔から食べ物の恨みは怖いという。



よく言ったもんだ…。



「買ってこないなら血、お預け」

「はぁ!?どんだけ待ったと思ってんだ?バカだから風邪引いて我慢してやって、治れば生理中で貧血だぁ!?もう1週間以上待たされてんだよ…」

「そう。なら死ねば?」



彼氏に真顔で死ねと言える女、俺は今まで見たことがない。



さすがの俺もそこまで言われりゃ黙ってねぇ。



「テメェの血なんかなくたって生きられんだよ!!あんまりナメてんじゃねぇぞ」

「あっそ、好きにすれば~?」



マジ頭に来た。



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