honey blood
慌てた蜜が呼んできたのは頼りない双子で。



泣きそうな顔で俺のそばにベッタリと寄り添ってる。



「父さんか母さんは?」

「ふたりとも朝からいない!!兄さま死んじゃうの!?」

「死ぬのか、これ…」

「お薬飲む!?」



薬なんて飲んだら今の症状に追い打ちをかける気がする…。



とにかく電話…。



「蜜…北斗に電話…」

「北斗って誰!?」

「保険医…」



ヤバッ…瞼が重い…。



なんだよこれ…。



マジで死ぬのかよ…。



「あった!!かければいいの!?なんて言えばいい!?」

「…………」

「紫っ!?寝ちゃダメ~!!」



グーで殴られた気がするのに、文句すら言えない。



ダメだな、俺今から死ぬ気がする。



まだ17年しか生きてねぇのに…。



だけど恋らしきもんは出来たな。



蜜とカワイイ妹たちに看取られんなら本望ってもんだ。



「紫!!」

「「兄さま~!!」」



じゃあ、みなさんお元気で…。



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