honey blood
あのまま死ねばよかった…。



そうすればこんな苦しさ味わわなくて済んだのに。



「寝てぇ…」

「浄化しねぇとダメだ」

「どうやってするんだよ…。さっさとしろよ…動かねぇ!!」

「俺にキレんじゃねぇよ…。林、手」



体が動くなら暴れたい。



こんな情けねぇ姿見られたくもねぇのに…。



蜜が俺の前に手を出した。



飲めと?



そんな力もねぇっての…。



「紫…?」

「ムリ…」

「飲まなきゃ辛いんだよ?」

「…………」

「もしかして飲めないの?」



追いつめられてる気分だ。



蜜のこと守るとか言っといて、逆に守られてんじゃん。



ダッセェな、俺…。



「先生、指でもいい?さすがに手首切るのは怖いし…」

「深めにな」



挙げ句の果てに痛いことさせんのか…。



いつもの蜜なら絶対そんなことしないくせに…。



「いっ…たぁいよぉ…」

「しばらく口の中に指突っ込んどけ」

「わ、わかった…」



蜜の血が口の中に広がると、変な安心感が生まれた。



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