honey blood
蜜は恥ずかしそうに俯いたまま。



俺もいつの間にか眠ってて、気が付いた時には体が少し楽だった。



「んっ!?」



なんで…蜜が隣に寝てんだよ!!



夕暮れ時で薄暗い部屋の中、めずらしく俺にペタッと寄り添ってる。



一瞬動揺したけど、我に戻って蜜の体に布団をかけて引き寄せた。



「紫…?起きたの?」

「ん…」

「大丈夫?」

「ダメ…もう少しこのまま…」

「うん…」



蜜は寝ぼけてんのかもしれない。



それくらい素直。



今の俺にはありがたかった。



こんな雰囲気初めてかもしれないと思った瞬間、スパ~ンと開いた襖を合図に蜜があっと言う間に離れた。



「大丈夫か!?」

「すっげー邪魔の仕方だな、父さん…」

「死にかけたって聞いて飛んで帰って来た!!」

「生きてる」

「みたいだな。よかった…」



仕事で朝から地方に言ってた父さんが帰ってきたらしい。



珍しくスーツ姿…。



「キツかっただろ~…。俺に似ちゃったかな?アハハ!!」



遺伝かよ…。



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