honey blood
紫が死にかけた時、本当にこのまま息をしなかったらどうしようって思った。



電話してすぐに駆けつけてくれた先生の顔に余裕がなくて、双子達を部屋から出せと言われた後、なにも出来ずにずっとその様子を見てた。



先生はとにかくいろんなことしてて、いつもは冷静な先生が必死になってて…。



『どれくらい飲んでねぇんだ!?』



そう聞かれたから1週間以上って答えたら怒鳴られた。



だけど紫が他で血を飲んでるなんて知らなかったから…。



まさかアレルギーだとは思わなくて…。



やっと紫が息をした時、心からホッとした。



あの後、指を切って紫の口の中に入れた時の冷たさは忘れられない…。



元気になってくれて本当によかった。



「蜜、お前って欲しいもんとかねぇの?」

「ないけど?」

「なんか…ねぇのかよ。アレ買って的ななんか…」



おねだりでもされたいの?



じゃあ遠慮なく。



「紫、アレ買って?」

「カツサンド…。色気ねぇな!!指輪とかネックレスとか、可愛げのあるもんにしろよ…」



カツサンド…うまそうなんだもん…。



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