honey blood
2時間車に乗って着いたのは海だった。



浜辺にあるコテージが紫んちの別荘…。



コテージというより豪邸なんだけど。



「紫んちと雰囲気ぜんぜん違うね」

「父さんがよく使ってる場所だ。ここだと仕事がはかどるとかで」



やっぱりお金持ちなんだね。



洋風な造りの家の中は家具までゴージャス。



「お待ちしておりました、紫様」

「安藤~!!ちょっと老けたんじゃね?」

「それは歳だからですよ。今年で260歳になりました」



260年も生きてるのにこの若さとは…。



あたし達を迎えてくれたのはテレビでみるような執事っぽい人。



30くらいに見えるんだけど…。



しかも紫が異常な懐き方でちょっとビビる。



あの紫が少年の顔してるんだもん…。



「安藤さんは小さい頃の紫のお世話係だったんだよ」

「そうなんだ…」

「本当はすっごく怖いから気をつけてね」



いつも紫のそばにいる雪丸君がそう言うなら本当に怖いんだろうな…。



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