honey blood
【紫】



久しぶりに会った安藤は、相変わらずだった。



昔の考えが強い安藤が、俺と蜜の関係を認めるはずがないってのはわかってる。



だから早めに説得するためにここに蜜を連れてきた。



純血は純血と、なんてもうムリに近いんだ。



それをわかってるヴァンパイアは半数くらい。



父さんは母さんを見つけて恋愛結婚できたけど、母さんの兄である俺の叔父さんは現にハーフヴァンパイアと結婚した。



純血じゃなくても血を守っていく手段はある。



だからもう純血は純血となんて古い考え。



「安藤、あのさぁ」

「なんでしょう?」

「蜜に余計なことしたら安藤だろうと許さねぇから」

「はははっ!!どこかで育て方を間違えてしまったようですね」

「そうは思えねぇけど?」

「人間とヴァンパイアは難しいと思いますが?せめてハーフにしていただきたいものですね」



寿命のこと言ってんのか。



そんな先のこと、今は問題じゃない。



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