honey blood
【紫】



雪丸の決意は固く、死ぬ覚悟でやってきた。



父さんも雪丸の意見には賛成で、俺も決断の時だった。



『僕が死んだら、二葉の記憶だけ消してね』



それが雪丸の願い。



俺の血を飲んだ雪丸はそのままフラッと倒れて、今は寝てる。



姿が消えないってことは成功ってことだろう…。



途中で目撃した蜜があまりにもおもしろい反応をしたので、からかうことにした。



蜜の気配がしたから、横になる雪丸の隣に寝て布団をかけた。



敷きっぱなしにしといて正解だったな。



その様子を見た蜜は放心状態で口を開けたままこっちを見てる。



「なんか用か?」

「えっ!?いえ…やっぱり…見ちゃダメな感じだった?って…男は浮気に入る?」

「お前次第?」

「そうだよね…ですよね…、うん…」



あれれ?



慌てると思えば逆の反応?



えっ!?



「あたし…寮に帰るっ!!」

「ちょっ!?待て蜜っ!!」



やりすぎたっ!!



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