honey blood
今まで見た涙より、大量に流れる甘いの。



蜜が必死だ…。



「やっと自分の気持ちわかったのに!!なんでそんなこと言うの!?」

「気持ち…?」

「やっと好きだって…思えたのにっ…。紫はあたしがいらないの!?」



すっげー殺し文句…。



今さらそんなこと言うなんて、卑怯だな…。



「別れるなら出会う前に戻してよ!!さんざん振り回したくせに!!」

「ククッ…」

「な、なに笑ってんだよバカ!!」

「カワイイな~と思って。そんなに好きなんだ、俺のこと」

「悪い!?」

「悪かねぇな」



ペロッと舐めた涙はやっぱり甘い。



こんなカワイイヤツ、滅多にお目にかかれねぇよ。



「蜜がその気なら、おかしくなるくらい愛してやるよ」

「なっ!?」

「逃げらんねぇと思えな?」

「ちょっ、紫っ!?なんで…押し倒されてるの?」

「そんな雰囲気だろ」

「好きとは言ったけどそういうことはまだ早い!!結婚まで我慢しろよ」



やっぱり甘くねぇのな…。



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