honey blood
まだチビ達は人間から直に血を飲んだことがない。



それはたぶん、俺が昔使用人を殺しかけたからだろう。



あの時ほど理性をなくしたことはなくて、母に見つけられなかったらきっと禁忌を犯してた。



人を殺すのはタブー。



それが人間とヴァンパイアが共存していくための最低限の規則…。



一応ヴァンパイア界にも秩序というものがあり、世界中に散らばっているヴァンパイア達で協会を作っている。



昔から純血を守ってきた我が家は、日本でいちばんの権力があったりもする。



純血自体稀少なため、俺の父はわざわざアメリカの純血ヴァンパイアと結婚した。



そんな純血も本当にごくわずか…。



ほとんどが雪丸のようなハーフ。



俺はそれでいいと思ってる。



純血は今の世の中じゃ生きにくい…。



「兄さま、なんだかいい匂いがする」

「本当だ!!甘~い!!」



妹たちは俺の変化に敏感だ…。



クソ不味い血を飲んだ時は近寄って来ないことすらある。



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