honey blood
どうしても手を繋ぎたい蜜と手を繋いで家に帰ったら、珍しい人物がいた。



「安藤…」

「本家は変わりませんね、紫様」



滅多にここに来ることなんてない安藤がいる。



ただ事じゃない感じ…。



コレは…なんかあったのか?



「紫、大広間に来い」

「は!?今…か…?」

「スグだ」



父さんもなんだか異様な雰囲気。



不安そうな蜜を部屋に戻し、あまり行かない大広間に行くと顔見知りの上流ヴァンパイアが数人いた。



「ご無沙汰しております」

「いえ…」

「私の息子、吹雪(フブキ)です」



そう言ったのは、かなり偉い立場にいる石上という男で。



その隣にいたのは吹雪と呼ばれた若者。



実際、俺よりは年上だと思う。



「お初にお目にかかります吹雪と申します。今年で20になります」

「あっ、紫…です…」

「まずその態度、改めていただきます」

「は…?」

「紫様が頭を下げるのは、目上の者だけにしてください」



ちょっ、なに言ってんだよ!!



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