honey blood
逃げた男を見届けてからまた歩き出した。



これからは自分の身は自分で守らなきゃ。



元から誰かに守ってもらうなんてガラじゃなかったけどさ。



地図を見ながらたどり着いた学生寮は普通の民家で…。



なにコレ、寮じゃなくて下宿?



寝れるならどこだっていいんだけど。



「こんにちは~」

「あら!!林さん!?早く着いたわね!!」

「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね~」



寮母さんは優しそうでホッと一安心…。



寮に住んでるのは、遠方から通えない子達だと聞いていたけど…。



誰もいないじゃないか。



「あの…、もしかしてあたしだけですか?」

「そうよ~。他の子は新しい寮に移っちゃったからね~」

「新しい寮?」

「満室で入れないみたいよ?こんな普通の家だけど、オバサン干渉はしないから安心して!!」



もはや寮じゃないじゃん!!



やっぱり民家の一室じゃんっ!!



どうでもいいんだけどさ…。



< 2 / 506 >

この作品をシェア

pagetop