honey blood
駅に着いたら電話すると言われ、待つこと2時間…。



本当に紫がやってきた…。



「ひとり…?」

「女に会うのにあんな堅物連れてきたら引かれんだろ?」

「そう…だね」

「まだ時間いいのか?」



頷いたら腕を引かれて近くのホテルに連れて来られた。



用意周到と言うか…。



すでに予約済みの部屋にチェックインです…。



ビジネスホテルなんてカワイいもんじゃなく、一流ホテルの一室…。



さすが電気屋の息子です。



「何があった?って聞いた方がいいか?」

「聞いてくれんなら…話す…」

「じゃあちょっと待っとけな?」



携帯の電源を切った紫はあたしを抱き上げてベッドに座った。



こういう紫の優しいとこ、やっぱり好きだ…。



「親が再婚するんだって…」

「お前片親だったの?」

「転校した時に…離婚した…。あたしって扱いづらいじゃん?だから両親に捨てられた感じで…」

「だから寮にいたのか。ぜんぜん知らなかった」



誰にも言わなかったから…。



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