honey blood
二葉も知らない事実。



今の紫には言える気がする…。



「父親が再婚するから戻ってこいって…。で、さっき会ったら殴りたくなるようなヤツだった…」

「蜜はどうしてぇの?」

「あっちに帰りたい…。あたしの居場所、ここじゃないよ…」

「そっか」



そのまま全部話した。



やっぱり紫はあたしに泣き場所を提供してくれる。



紫の前だと、なぜか涙が止まらなくなる。



弱い部分ですら全部包んでくれるようで。



安心する…。



「俺に頼れよ」

「頼る?」

「さっきみたいに素直に求めりゃ、お前のためなら俺はなんでもしてやる」

「紫っ…助けて…」

「言っとくけど俺、お前がイヤがったって離さねぇよ?」



抱きしめてくれる紫の腕に甘えよう。



ひとりで意地張って生きていくのはもう疲れた…。



紫のためなら…あたしもなんだってするから。



だから…あたしを助けて…。



「蜜、俺もお前に言わなきゃいけないことがある」



今…しなきゃダメな話しなの?



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