honey blood
いつもムカつくことばっかり言って、メシ食えば全開の笑顔だし。



そんな闇、気づくわけねぇよ。



たぶん蜜はずっとひとりで解決してきたんだ。



だからもう、楽になればいいと俺は思う。



「今どんな気分だ?」

「全部なくなった感じ。スッキリしたよ。でも…悔しくて泣けてくる…」

「お前は悪くねぇと思う。今回のは俺が勝手に蜜を親から奪った。だから、自分で捨てたなんて思わなくていい。俺が全部悪い」

「紫は…カッコつけすぎ…」



俺はね、お前に生かされてんの。



だからたまには俺にも助けさせろよ。



蜜のカワイい部分とか、弱いとことか知ってるし。



今度のことで、蜜がなんでこんな性格なのかもわかった気がするし。



もし、蜜が人間でいる道を選んだら…。



俺はお前の記憶から消えるから。



なんかしてやれんのは今だけかもしれない。



「あたし、この先どうなるの?」

「まず、引き取ってもらうとこ探してやるから」



それがいちばん先にすることだな。



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