honey blood
この家の主は理事長。



マリの方が気が強いように見えて、権力は理事長の方が上だから。



マリも旦那の決断にはちゃんと従ういい女。



「柊 龍太(ヒイラギ リュウタ)です。よろしくね、蜜ちゃん」

「あっ、あたしなんかを…もらってもいいんでしょうか…」

「そんな堅くならなくていいよ。形式的にうちの姓を名乗るんでしょ?」

「はい…」

「一緒に住んでもいいけど…どうする?」



少し蜜が安心したような顔をした。



コレは間違いじゃなかったか?



「養子にいただく代わりに、生活はうちで面倒を見させていただきますね」

「そこまでしてもらわなくていいって。俺が出すから」

「紫様、それが筋ってもんですよ」



この家なら安心して蜜を託せる…。



俺と別れたとしても、ここならなに不自由なく生きていけるだろう…。



「寮に住んでるならうちに来ちゃいなさいよ」

「先生…」

「学校を卒業しても帰る場所、自分で作りなさい」



マリもイヤな顔しないでくれた。



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