honey blood
帰りの車の中で、グチグチ文句を垂れる吹雪の言葉を聞き流してた。



一瞬、ものすごくイヤな予感がして…。



「家の前にいんの…誰だ?」

「見たことない顔ですね。話してきましょうか?」

「あれ、人間じゃねぇな」

「そうみたいですね」

「ヤバい感じがするからこのまま家ん中行け」

「わかりました」



見たこともない男がいた。



コレってもしかして…反逆者的な?



「紫様、まだ調査中の段階なのですが…」

「なんだ?」

「人間からヴァンパイアになる者が急速に増加してるようです」

「誰がそんなことしてんだよ。純血にしかそんな力ねぇだろ」

「調査中です」



そう言えば前に蜜をナンパしたヤツも人間上がりのヴァンパイアだったよな…。



純血のヴァンパイア…。



「なぁ、調査ついでに探り入れて欲しいんだけど」

「どちらにでしょう?」

「昔一度だけ会ったことがある、俺と同い年の純血を継ぐ者」

「かしこまりました」



どんなヤツだったかすら思い出せないけど…。



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