honey blood
守れない時もある
【蜜】



今日はお引っ越し。



あたしは今日、柊家の養子になった。



あの後、お父さんとは一度話した。



『そんな娘に育てた覚えはない』とか『好きにしなさい』とか。



あたしがあの女と結婚しないなら戻ると言ったら、激怒して勘当すると言われた。



こんな娘に育てたのは、まぎれもなくあなたたち。



むしろ、お父さんとは思い出のひとつもない。



前から親子なんかじゃなかったんだから。



今更家族やろうなんて言われてもムリな話し。



結局あたしよりあの女を選んだんだから、あたしはそれだけの存在なんだよ。



なんかもう吹っ切れてしまって、紫に居場所を与えてもらえたことに感謝しまくってる。



「おかえり、蜜ちゃん」

「今日からお世話になります、龍太さん」

「自分の家だと思ってくつろいで」

「はぁい!!」

「うん、いい笑顔」



紫の屋敷に似てるこの家が今日からあたしの住まい。



お世話になりますっ!!



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