honey blood
それでも向かった学校で、二葉と朝から街の案内をしてもらう約束をした。



遅刻ギリギリにやって来たアイツはすでに眉間にシワ…。



「おはよう、紫君」

「あぁ…」



あたしは挨拶すらしない。



極力目も合わせない。



「紫?どうしたの?」

「なんでもねぇよ…」

「具合悪そう…」

「大丈夫だ…」



雪丸君が本気で心配してるけど…。



ただ機嫌が悪いわけじゃないの?



自分の席に座り、机に顔を伏せたアイツはあたしにも具合が悪そうに見えた。



「本当にアイツどうしたの?」

「副作用かな…」

「なんの?」

「非常用の薬。飲めば血はいらないんだけど紫には合わないから滅多に飲まないはず…」



そんな便利な薬があるならそれで済むじゃん。



雪丸君は主に薬で生活をしてるらしい。



薬も合わないなんてかわいそうなヤツ…。



「副作用ってどんな?」

「普通なら頭痛に吐き気と眠気。だけど紫はそれにプラス、熱出たり体が痺れたり?」



それ、最悪じゃね?



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