honey blood
その日、あたしのためにと豪華なごちそうがたくさん並んだ。



それを龍太さんとマリさん、北斗先生と笑いながら食べた。



これが家族ってヤツかな…。



幸せを感じながら眠れた次の日、家を出て学校に向かう途中、すごくキレイな人に出会った。



同い年ぐらいで、色白、美形…。



背も高くて、どことなく紫に似ていた。



「紫様が大変な事態になったので一緒に来ていただけますか?」

「大変って…」

「今すぐあなたの血が必要です!!」



そう言われ、頭の中が真っ白。



紫になにがあったのかはわからないけど、なんの疑いもなく車に乗り込んだ。



「今時、こんなやり口で誰もついてこねぇよ」

「えっ…?」

「バーカ」

「意味わかんないっ!!紫はっ…なんでも…」

「オヤスミ、蜜ちゃん」



意識がスーっとなくなった。



前にも味わったことがあるな…。



あたしが初めて紫の前で泣いた時と同じ…。



眠くて仕方ない…。



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