honey blood
胃の中の物を全部吐き出してから教室に戻るとホームルームが始まるとこだった。



マリの隣に立つその男、コイツが天音…。



どことなく自分に似てる気がして…。



だけど俺はこんなに甘い顔じゃない。



「紫?具合悪いなら保健室に行きなさいよ?」

「平気…」

「そう?で、転校生の…」



『桐原 天音です。よろしくお願いします』



なんて爽やかな笑顔で挨拶しやがった。



しかも『桐原』と名乗って。



視界に入った蜜は天音を見てうれしそうに微笑み…。



暴れたくなった。



それより究極に気分が悪い。



だけど逃げるみたいに保健室に行くのはプライドが許さない。



気持ちわりぃな…。



「久しぶり、紫君」

「お前と会った記憶なんかねぇよ」

「そう?昔おじいちゃんの誕生日に会ったんだけど」

「あっそ…」

「これからよろしく~」



ムカつく…。



いますぐ消してやりてぇ…。



蜜になにしたんだよ…。



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