honey blood
蜜の匂いを感じるだけで体が渇く気がする。



イライラが治まらない。



俺を消すためにこんなとこに来たのか?



だったらなんのために蜜と接触した?



蜜に何をしたんだ…。



俺をやりてぇなら俺んとこに来りゃいい。



なにが目的なんだよ…。



休み時間は苦痛意外の何物でもない。



「林どうしたんだよ…」

「なんで転校生と…?桐原はなんにも言わないの?」



クラスの中で不自然な蜜に集まる視線…。



天音と楽しそうに話す蜜の姿は、誰が見てもおかしなものだった。



「胸くそわりぃ…」

「紫、サボるなら付き合うよ」

「そうする」



見てられなかった。



だけど俺が蜜に近づけば、アイツはまたイヤな顔で俺を拒絶する…。



どうしたらいいのか全くわからない…。



雪丸と授業をさぼり、やってきた保健室。



「様子、どんな感じだ?」

「昨日と変わんねぇよ…。それより体がキツいからなんかねぇ?」

「蜜エキスたっぷりの紫専用、だけど試作段階」

「打って」



薬だけじゃやっぱり保たない…。



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