honey blood
失望だ
【蜜】



夢を見ない。



気がつけば朝で…。



最近体が辛い気がする…。



頭がボーッとして、ズキズキとした偏頭痛もある。



「病院行こうかな…」

「血が多いんじゃない?」

「なんで?」

「最近飲まれてないから?」

「じゃあ天音が飲んで?」

「いいよ、おいで」



天音はあたしの大好きな人。



よく思い出せないけど、あの大嫌いな紫からあたしを救ってくれた人。



とにかく、あたしは天音が大好き。



「痛い…、そんなとこ…」

「ものすごぉ~く、甘いね…」

「わかんないっ…」



鎖骨の下辺りに噛みついた天音は、少し血を抜き取ってくれた。



若干楽になった感じ…。



「天音…、抱きしめて?」

「カワイイね、蜜は…」

「カワイくなんかない…よ…」



あたしの好きな人…。



好きな人の腕の中…。



腕の中にいるのに…。



なのになぜか泣きたくなる…。



どうしてだろう…。



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