honey blood
なんか…着いてきてるんだけど…。



「なに!?」

「試させろ…」

「は!?なにを!?」

「ちょっと…来い…」



えっ!?



また強制連行ですかぁ!?



顔色が悪いくせに相変わらず力は強くて、この前の図書室にぐいぐい引っ張られた。



前みたいに鍵をかけ、静まりかえってる図書室のソファーの上…。



あんたの目にあたしはエサとか飲み物としか映ってないんだろうか…。



だけど息が荒く、血色の悪い顔を見るとムカつくバカヤローでも心配になってしまうのが良心ってもの。



「血が…欲しいの?」

「あぁ…」

「あんまり…痛くしないでよ!!」



差し出した手はきっとあたしの精一杯だった。



目を瞑り、いつ来るかわからない痛みに覚悟を決めた。



なのに…。



「そこじゃねぇ…」

「えっ!?キャッ!!」



なぜかソファーに押しつけられてるんだけど…。



なにコレ?



ちょっ、歯が牙みたいになってるって!!



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