honey blood
正直、初めてこんなに恐怖を感じた。



なにされるかわかんなくて、怖くて怖くて…。



近づいてきた顔に目を閉じた。



襟元に手をかけられ、ぐっと横にひかれた。



頬に当たる柔らかい髪の感覚…。



首に感じたなま暖かい舌…。



次の瞬間、息が止まりそうな激痛が襲った。



「んぁぁぁぁぁぁっ!!」



痛すぎて涙も出ない。



その痛みから逃げようとしても変に力が入ってて逃げられずに…。



これがヴァンパイア…。



なにも言わずに首から離れないこの男…。



「も…やめ…て…」



どのくらいこうしてるのかわからない…。



体が冷たい…。



手の感覚…なくなってきたよ…。



コレってこのまま…。



「死んじゃうっ…」



吐き気のような気持ち悪さが襲った瞬間、意識が遠のいた。



やっと離れたか…。



「ヤベッ…オイッ!!蜜!!」



こいつ、あたしの名前覚えてたのか…。



もう…ムリ…。



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