honey blood
紫とふたりになりたいな…。



天音、邪魔だけど蔑ろにできないし…。



紫と天音の仲も前ほど険悪ではなくて…。



父上的には天音と紫に信頼関係ができるのがいちばんいいと思ってるみたい。



紫も天音のことには触れてこないし…。



気にしてないはずはないと思うんだけど…。



「あたし帰ろうかな…」

「送る」

「吹雪さん?」

「いや、徒歩」



紫とふたりだ…。



立ち上がってチラッと天音をみると、ズキッと心が痛む。



天音はあたしなんか好きじゃないのに…。



「天音、また明日ね」

「はぁ~い」



天音は普通だ…。



今が幸せなのかもしれない…。



天音が変えた人間達は天音を待ってるらしい。



だけど天音は経営してたホストクラブを父上に譲渡した。



可哀相な人だったんだって、ちゃんとわかってる。



だから余計、天音を突き放せない…。



「さみぃ…」

「もう秋も終わりだ」

「紫、手…とか繋ぎたいなら…」

「はいはい」



紫が好き…。



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