honey blood
もっと蜜に触れたい…。



このまま誰の目にもつかない場所に隠して、天音の存在なんて忘れさせてやりてぇよ…。



「今日ね、先生が催眠療法試してみるかって…」

「そうか、俺も立ち会う」

「うん…」



不安そうな顔…。



天音を忘れたくねぇの?



今現在、一緒にいるのは俺なのに…。



蜜が戻ればなんでもいいって思ってたのに…。



天音とのメシを断らなかったのも、蜜の中に天音がいるから。



苦しんでんだろうけど…。



俺だって今の現状に毎回困惑してる。



「ねぇ…」

「あ?」

「疲れたから寝たい」

「は!?」

「寝れないから眠らせてよ。授業始まる前に起こして?」



そう言って蜜は抵抗もなくソファーに座る俺の膝を枕にした。



蜜が近い…。



「早くやってよ」

「意味わかんねぇから。寝てぇならテメェで寝ろよ」

「そうする…」



頭がおかしくなりそう…。



抱きついてくんじゃねぇよ…。



気を許しすぎ…。



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