honey blood
なんでだか…急にドキドキしてきてしまうんですけど…。



横になったあたしの目に入ってきたのは、本当に申し訳なさそうな顔。



信じらんない…。



「アンタも人並みにそんな感情持ってんだ…」

「当たり前だろ。殺しかけたんだ…」

「そう…」

「お前の血は俺にとって麻薬みたいなもんなんだろうな」

「なにソレ…」

「理性がなくなってセーブできなかった…」



マジで殺されてもおかしくなかったみたいだね…。



そんなに美味いわけ?



「お前…」

「なに?」

「俺の女になんねぇか?」

「は!?」

「俺のそばにいて、俺に守られて、俺に血をくれ」



告白はされたことないわけじゃない。



だけどこんな変な告白めいた物は初めてで、胸がぎゅっと苦しくなった。



よく考えよう。



コイツはあたしが欲しいんじゃなく、あたしの血が目当て。



「ヤダよそんなの…」

「俺にはお前が必要だ」

「ちょっと待ってよ。血が欲しいんでしょ!?」

「あぁ」



即答ですかい…。



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