honey blood
しばらくして本当に眠った蜜の頭を撫でた。



転校してきた時は眉毛くらいまでだった前髪も、今じゃ鼻くらいまで伸びてる。



一度も切ってない髪も前より伸びた。



プリンになるからと言って最近黒くした髪は細くてサラサラ…。



全部俺のにしたい…。



心も体も、頭ん中も…。



天音にやるつもりなんか更々ないけど、蜜にとってなにがいちばん幸せなのかわからない…。



静かに膝の上から頭を降ろし、完全にソファーに寝かせた。



学ランを掛け直して蜜の手を握った。



「どうしたもんか…なぁ…」



俺にも天音の力があれば…。



何度でも書き換えてやんのに。



ん…?



何度…でも…?



蜜を残して図書室に飛び出した。



天音ならできるかもしれない。



一か八か…試してみる価値はあるはず!!



教室に入ると、天音は窓際でひとり、外を眺めていた。



「天音っ!!」

「紫?なに?用事?」

「お前、記憶書き換えられんだよな!?」

「まぁ、それしかできない」

「ちょっと来い!!」



うまく行くならなんだっていい。



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