honey blood
それを言われたら俺はなにも言えない…。



蜜がイヤがるならなにもできない…。



やっぱり俺と蜜はダメなのかも…。



これ以上蜜に負担をかけたりリスクを背負わせるのは俺だってイヤだ。



でも俺が人間になれるわけじゃないから…。



「お前の本心、わかった…」

「あっ…」

「もうムリさせたりしねぇから…。悪かったな…」

「ごめんっ、そんなつもりで言ったんじゃ…」



あのまま記憶なんて戻らなきゃよかった…。



俺と蜜は生まれつき考え方に差がある。



人間とヴァンパイアの壁みたいなもん。



初めからムリだったんだろうか…。



そもそも、蜜をこんな目に会わせたのも俺といるからだ。



本当に蜜の幸せを考えるなら、このまま俺といるのは間違い…。



少し距離をおくべきなんだろうか…。



「天音、もういい…」

「そう?」

「蜜連れて教室戻っとけよ」

「紫は?」

「まだここにいる」



頭冷やそう…。



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