honey blood
気まずそうに俯いたまま、蜜は教室へ戻った。



ダメだな、俺…。



蜜にいろいろ押しつけすぎだ…。



俺が執着しすぎてるから?



俺たちには超えられない高さなんだ…。



身を引けたら楽なのに…。



天音ん時、手放そうとしたのに…。



戻ってきた蜜を離したくなくなって、今はそれが強い。



蜜のことで頭いっぱいだったからな…。



少し考え方を改めよう。



その日、蜜は二葉と出かけると言ったので俺は帰宅。



いつも鬱陶しい吹雪が世話を焼く。



「吹雪、前に言ってた見合い的な話し、受けようかと思う」

「そうですか。では日取りを。いつがよろしいですか?」

「土曜日…かな。なんか…人を好きになるって、重いしキツいし苦しいな…」



吹雪はなにも言わなかった。



だけど今の俺はきっと蜜に依存しかけてる。



他に目を向けてみるのも、ひとつの手だと思う。



そういや今日は催眠療法って言ってたっけ…。



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