honey blood
部屋に入ってベッドにダイブ。



ジワジワ溢れる涙を枕に押しつけた。



あたしはこんなに紫が好きなのに…。



お見合いとか、意味わかんねぇから。



あたしは用なし?



紫は将来偉いヴァンパイアであたしはただの人間だから?



周りに反対されたら他に行くの?



その程度だったの?



ブルブル震える携帯を取り出し、開いてメールを開けてみた。



『俺は別れたくねぇよ。蜜もちょっと頭ん中整理しろって言いたかった。天音のこと、よく考えたらいい』



別れたくないなら何でお見合い?



あたしが天音を好きでいることを選んだら、紫はあっさり次に行くの?



紫なんて…。



「大嫌いっ…。大っ嫌い!!」



涙は止まらなくて近くにあったシュシュを壁に投げつけた。



もうどうしたらいいのかわからない…。



天音がでて行かない。



紫には愛想尽かされた。



なんで?



天音のせい?



紫のせい?



違う、あたしが悪い…。



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