honey blood
あたしを受け入れてくれた人すら傷つけた…。



ここにいたらただ迷惑かけるだけかな…。



「蜜~、入るぞ」

「北斗センセ…」

「悪いな、力になれなくて…」

「先生…悪くないから…」

「まぁ、悪くねぇな」



膝を抱えてるあたしのそばに座った北斗先生。



この家はいつもあたしを気にしてくれてるんだった…。



マリさんにひどいこと言っちゃった…。



「マリから聞いたけど、紫が蜜と離れたら誰がキツい?」

「えっ?」

「紫には地獄だろ。天音のことがあってからしばらくはキツそうだったぞ」

「血…」

「そうだな。お前以外の血はもの足りねぇってよ」



あたしと離れたら紫の体が苦しくなる…。



あたしは心が苦しい…。



「じゃあなんでお見合いするなんて言ったの?」

「紫なりに考えがあんじゃねぇの?」



わかんないよ…。



あたしに嫌気がさしたんじゃないの?



「泣きすぎだ。少し寝た方がいい」

「そうする…」

「あんまり考え込むなよ?頭が心配だから」

「はい…」



紫…。



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