honey blood
落ち着く…。



あたしって紫が大好きみたい…。



「離れるとか、言ってたよね…」

「覚えてんのか」

「ん…。あたし、バイバイって言ったけど…」

「イヤだって言っただろ」

「うん…、あたしもイヤだ…」



素直にならなきゃいけないときは意地でも素直でいなきゃ…。



本心を言わなきゃ心が離れる…。



「紫が好きっ…」

「知ってる」

「どこにも行かないでっ…」

「行かねぇよ。だから泣くな…」



紫の前だとどうしてなんだかすぐ泣いてしまう。



女の子になれる瞬間なのかな…。



絶対離れたくない。



なにがあっても…。



「抱きしめてもいいけど?」

「なんだソレ…」

「紫が抱きしめたそうにしてるから…」

「はいはい…」



隣に横になった紫にギュッと抱きしめられた。



あたしに足りなかったもの、これだ…。



紫の温もり…。



「お見合いとかすんな…」

「ムリだな、明日だし。お前も天音とメシ行くんだろ」



ここまでしたのに行くのか!!



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