honey blood
だからたまに吹雪の目を盗んで逃亡を企てるが、失敗に終わるのがほとんど。



「父も母も紫様は立派な方だと」

「お前の両親、知らないしね」

「警察の官僚ですが…」

「あぁ、なんかそんな肩書きのヤツいたな」

「それが父です」

「ふぅん」



興味を持てない。



俺が自ら受けた見合いなのに、どうしたらいいのかわからない…。



「会ってみたら想像よりずっとキレイな方だったのでまだ緊張してます」

「まだ16だろ?遊べよ」

「えっ?」

「今日は付き合わせて悪かった。お前の方から断れ」

「断りたくないんですが…」

「俺のとこに嫁にきたっていいことねぇから。それに、今ならもれなく本命の女もついてくるしな」



吹雪もコレで満足するだろ。



一回くらい見合っとけば小言も減るってもんだ。



「心に決めた方がいらっしゃったのですか…」

「そこまでの感情はねぇよ」

「ならばなぜ…」

「今、俺には今が重要だから」

「紫様はやっぱり素敵なお人ですね!!今回はお断りいたします」



助かった!!



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