honey blood
だけど俺なんか素敵でもなんでもねぇと思うわけで。



帰りは見合い相手を先に吹雪に送らせて、俺とふたりになってからは沈黙…。



吹雪が俺に無言の圧力をかけてる…。



「ふ、吹雪?」

「なんでしょう」

「いや、なんでもない…」

「本日は実家に帰らせていただきます。代わりに誰か呼びましょうか?」

「いいっ!!俺だってガキじゃねぇんだ。着替えるだけだし?ちゃんとして寝れる!!」

「なら、明日の朝に参りますので」



吹雪が実家に帰るなんて初めてだった。



なにがあるのかと聞けば、たぶん答えるだろう。



だけど今はそんな雰囲気じゃなく、見合いを失敗させた俺に頭にきてるはずの吹雪におびえた。



「「兄さま~!!おかえりなさい!!」」

「ただいま」

「袴姿カッコイイ~」

「久しぶりに着たから窮屈だな」

「「お手伝いする~」」



蜜は…まだか。



せっかく天音といる時間に見合いしたのに…。



早く帰って来いっての。



< 310 / 506 >

この作品をシェア

pagetop