honey blood
満足した俺の腕の中で眠る蜜はぐったりしてた。



俺も俺でこんなに余裕がなかったのなんて初めてで。



好きな女ってのはどこまでも俺をおかしくさせる。



布団を掛け直して部屋から出た。



水でも飲みに…。



「なにしてんの?」

「天音?」

「蜜は?」

「寝てる…」

「ふぅ~ん。一線超えましたって感じ?」



なんで!?



聞こえたとか!?



なんか恥ずかしくね!?



「紫の色気ってわかりやすい」

「そう…スか…」

「もう跡取りでもつくる気?」

「そんなんじゃねぇよ。ガキなんてまだまだ先だろ」



それ以外に女を抱く意味がわからないと天音に言われた。



愛情を知らないって怖い…。



いつか天音にも心から抱きたくなるような女が現れるんだろうか…。



「じゃあ俺寝る~」

「あぁ」

「ん?紫…?」

「なんだよ」

「この痣どう…した?」

「痣?」



天音に見てもらった背中には首から長い痣…。



なんじゃこりゃ!!



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