honey blood
薬も飲ませたから明日にはだいぶよくなってると思う。



今日はからかうのも切り上げてこのまま寝かせるか…。



「アンタの親は?」

「広間にいる」

「あたしのこと…知ってるの?」

「あぁ。ものすげぇ怒られた…」

「わぁい。よくやった両親」

「うっせ。とにかく休め」



休んでよくなったら…俺はお前に噛みつきそうだけど。



『おやすみ』も言わずに部屋を出た。



甘ったるいあの匂いが今日は薄い…。



やりすぎたよなぁ~…。



大広間には両親の姿。



蜜を連れて帰った日、真っ青な顔で慌てた母親…。



父親はすぐに医者を呼び、俺はバカみたいに怒られた。



「どんな感じ?」

「悪態つくぐらい元気だった」

「そう…。アンタは本当にバカなんだから!!」

「反省してるって…」

「まぁあの匂いにあてられる気持ちはわからなくないけど…」

「母さんも甘党だからな」

「とにかく反省しなさい」



『あの子には頭が上がらないわ…』



そう言われた…。




< 32 / 506 >

この作品をシェア

pagetop