honey blood
渋々やってきた紫の家。



出迎えはやっぱりこの人…。



「紫様がお待ちです。どうぞお上がりください…。チッ」

「舌打ちぃ!?」

「してません」

「したよね!?あたしが何かしましたか~?」

「紫様のお相手がただの大食娘…。頭が痛い…」



吹雪さんはいつになったら普通に接してくれるやら…。



お前なんかと仲良くする気もないけどな!!



「紫様、蜜様がお見えになりやがりました」

「オイ…」

「あっ、失礼」



どこまで嫌われてんの…。



がっかりしちゃうよ…。



「夕食はお食べになられましたか?」

「食べて…ないですけど…」

「では仕方なく用意させますので」

「…………仕方なくお願いします」



彼と絡むと精神的にやられる…。



あたしの敵だよ…。



「蜜」

「なぁに…」

「話しておきたいことがある」

「急に真面目な顔すんなよ」

「真面目な話だ」



改まった紫は苦手だ。



ヴァンパイアにならないかって言われた時もこの顔だった…。



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