honey blood
【紫】



しばらくの別れだ、グッバイ、日本。



小型の飛行機はプライベートジェット。



たくさんの荷物と天音。



機内に呼んだ蜜は寂しがる様子もない。



天音も行くと言い出したから同じ飛行機にいるわけで。



こんな場所で恥ずかしい言葉は吐けない…。



「金持ちってやることちがうね~」

「イヤイヤ、うちのじゃねぇから」

「じゃあ誰の?」

「ヴァンパイア協会の飛行機」

「へぇ~」



なぁ、俺は寂しいんだけど?



感動的な別れとかねぇの?



「蜜、ちょっと」

「ぬぁっ!?なにしてんの!?」

「俺がいない間は雪丸達に頼んだ」

「うん…」

「北斗とか、マリとか。理事長もいるから大丈夫だろ?」

「離して…」



たぶんすげー恥ずかしいんだと思う。



膝の上に乗せて抱きしめる形。



だって天音に聞かれたくねぇじゃん…。



「俺が言ったこと、考えとけよ…」

「か、考えてみたんだけどそれってさ…帰ってきたら結婚しようって意味?」

「そうだな」

「あたしまだ高校生…」



迷ってるな…。



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