honey blood
だけど父さんの立場をもらったら、それなりに所帯持って頑張らなきゃ。



普通はこんなに早く後を継いだりしないからゆっくり選んだりするんだろうけど…。



俺、他のヤツと結婚させられちまう…。



一緒に暮らして行くなら、愛のある家庭にしたい。



だから俺は蜜と結婚したいと思ってる。



「もし俺が帰った時、お前が迷ってたら、俺は突き放す」

「そんな…」

「よし、時間だ。早く出ねぇと一緒にフランス行きになるぜ?」

「お、降りるよっ!!」



出口まで行った蜜は不安そうにこっちを振り返った。



無性に胸が苦しくなって腕を掴んで思うがままにキスをした…。



「行ってくる…」

「頑張って…」

「おぅ」

「天音に見られただろうがバカ紫っ!!帰ってくんな!!」

「いっ…」



別れ際だってのに足踏みやがった…。



帰ったらどんな仕打ちをしてやろうか…。



「今の映画みたいだった~」

「うっせ…」

「その感覚、わかんないねぇ~」

「いつかわかるって。離陸時間だな…」



心残りは…ねぇ!!



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