honey blood
他にふたり、俺と同じく国を背負う者がいた。



ひとりは根っから真面目そうなロシアのヤツ。



もうひとりは気の弱そうなタイプで大丈夫かと心配になるタイの1つ上。



こういう場所で結束を固めるのは大事だ。



給仕もバトラーの仕事だと、目の前に出される。



ブライアンのおかげで緊張は解けたけど…。



「紫様、日本からお預かりした薬でございます」

「これで生活すんの、ぶっちゃけキツいんだよなぁ~…」

「こちらで用意した者の血で死なれては困りますので」

「足りねぇんだよ、これじゃあ…」

「日本から紫様専用に血を送っていただけるそうですが」

「それまで我慢か…」

「腕をお出しください」



自分でできるってば…。



だけどそれも仕事だとか。



多少癒えた…。



「では本日は自由時間でございます」

「外出ていい?」

「今から2時間だけはなにをしても許されますよ」



気の抜ける時間ってのはあるらしい。



解放された…。



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